あなたはいくつ当てはまる?むし歯を作る4要素2022.11.07
こんにちは。院長の米子です。
11月は子どもの着物姿が微笑ましい
七五三がありますね。
七五三に食べる千歳飴は、
「長寿を連想させる縁起物」として知られています。
飴は引っ張るとどこまでも伸ばせることから、
「細く長く、いつまでも健康で長生きしてほしい」
という、子どもへの願いが込められているそうです。
飴といえば、皆さんは
「ちょっとだけなら」「口寂しいから」と
キャンディやキャラメルなどを
間食の代わりに食べることはありますか?
もし心当たりがある場合は、
通常よりも「むし歯リスクが高い状態」
ですので、要注意です!
◆ひとつでも当てはまったら要注意!
「甘いものばかり食べているとむし歯になりやすい」
という話を聞いたことがあるかもしれませんが、
実際にむし歯が発症するのは、
(1)細菌
(2)糖分
(3)歯質
(4)時間
これら4つの要因が揃ったとき。
つまり、
甘いもの(糖分)を控えるだけでは
むし歯予防としては不十分なのです。
より確実に予防効果を高めるためには、
4つの要因すべてを意識することが、
とても重要になってきます。
◆要因1.細菌
プラークは細菌の塊です!
私たちのお口の中には、
さまざまな種類の細菌が存在しています。
それらの菌の中には
むし歯の原因になるものも含まれており、
もっとも有名なのが
『ミュータンス菌』という細菌です。
よく『むし歯菌』と言われるのもこの細菌で、
「お口に残った食べかす」などに入り込んで
増殖します。
このときに出す
「ネバネバとした物質」が歯に付着して
プラーク(歯垢)になります。
そう、プラークとは単なる食べかすではなく
『細菌の塊』なのです。
ミュータンス菌を減らすために大切なこと。
それは、お口の中を清潔に保つことです。
丁寧なブラッシングでプラークを除去し、
ミュータンス菌が増えないようにしましょう!
◆要因2.糖分
むし歯菌も甘いものが大好き!
ミュータンス菌は増殖する際、
『糖分』を餌に増殖します。
実はこのとき、ミュータンス菌は
『酸』を作って吐き出しますが、
この酸によって
歯の表面が溶かされてしまう状態が
むし歯なのです。
疲れているときや、お菓子が大好きな方は
ついつい甘いものを食べてしまいがちですが、
砂糖が多く含まれる
「キャンディ」や「ケーキ」は
むし歯になりやすいため要注意です。
おやつには、砂糖が使われていない
「おせんべい」や「クラッカー」といった、
糖分が少なく、お口の中に
残りにくいものがおすすめです。
◆要因3.歯質
子どもの歯を強い歯に!
「むし歯になりやすいかどうか」は
人によって異なります。
「磨かなくてもむし歯になりにくい人」や、
反対に「丁寧にケアしているのにむし歯になる人」。
この違いが生まれる要因のひとつが
『歯質』です。
歯質は「遺伝によるもの」や、
「お母さんのお腹の中にいたときの栄養状態」
が関係している、といわれています。
しかし、
「カルシウム」や「ビタミン」などの栄養を
乳幼児期からバランスよく摂ることで、
将来作られる永久歯の歯質を
強くすることができます。
◆要因4.時間
『間食』は『むし歯のもと』!
歯は食事のたびに、
むし歯菌によって溶かされる
『脱灰(だっかい)』という現象と、
だ液によって修復される
『再石灰化(さいせっかいか)』
という現象を繰り返しています。
ところが、
食後の歯みがきが不十分だったり、
間食が増えたりすると、
「むし歯菌が活発な時間」が長くなります。
すると、いずれ修復が間に合わなくなり、
むし歯になってしまうのです。
食後にしっかりと歯を磨き、
間食を控えることは、歯を守る大切な条件。
特に、「乳歯」や「生えたばかりの永久歯」は
歯質が弱く、むし歯になりやすいので
注意深くケアしましょう。
しかし、セルフケアにも限界があり、
どれだけ丁寧に行っていても、
磨き残しやむし歯ができることもあります。
そこで重要なのが
数か月に1度の定期検診です。
定期検診では、
歯みがきでは取れないプラークの除去や
むし歯のチェックを行います。
皆さんの歯を守っていくためにも、
定期的なご来院をお待ちしております。
小栗歯科
〒790-0036 愛媛県松山市小栗2-3-24
TEL:0120-089-475
URL:https://www.oguri-dental.com/
Googleマップ:https://g.page/oguridental?gm
痛みを知らせるだけではない?神経の役割とは!2022.10.07
こんにちは。院長の米子です。
秋が深まる10月は栗がよく採れる季節。
食べものとして親しまれる栗は、
染物の材料としても活躍します。
なかでもイガの部分を使うと、
落ち着いた風合いの茶色が楽しめるそうです。
ところで、イガのような尖ったものを触ると、
チクチクとした刺激を感じますよね?
このような感覚があるのは、
皮膚に神経が通っているためです。
実は、私たちの『歯』にも神経が通っており、
「むし歯が痛む」のは、
この『神経』が関係しているのです。
◆むし歯が神経まで達すると…
むし歯ができた際、
ズキズキとしたひどい痛みを感じるのは、
むし歯菌が「歯髄(しずい)」と呼ばれる
歯の内側の神経組織を攻撃しているためです。
歯髄まで達するほど大きいむし歯ができてしまうと、
細菌によって神経が侵されてしまうため、
「歯髄をすべてとり除く処置」をしなくてはなりません。
◆できれば「神経」はとりたくない…
神経をとると、当然ながら
痛みを感じることがなくなります。
そのため、
一度「歯髄をとる治療」を経験すると、
次にむし歯になったときに、小さなむし歯でも
「痛いからすぐに神経をとってほしい!」
と考えてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、それは大きな間違いです!
なぜなら歯髄には、
「歯に栄養を運ぶ」という、
とても大切な役割があるためです。
歯髄をとってしまうと
本来なら運ばれるはずの栄養が失われるため、
歯は枯れ木のようにもろくなります。
そうなってしまえば、
欠けたり、ひび割れたりするなど、
確実に寿命が短くなってしまうのです。
そう、丈夫で健康な歯でいられるのは、
歯髄(神経)があるおかげなのです。
◆歯髄(神経)が無くても「むし歯にはなる」!
歯髄(神経)が無くなると痛みを感じなくなりますが、
「むし歯にならない」わけではありません!
逆に言えば、歯髄をとってしまうと
むし歯が進行しても、すぐ気づくことができず、
気づいた頃には、もう歯がボロボロに…
ということも珍しくないのです。
◆歯の寿命を延ばすために大切なこと
健康で丈夫な歯を残し、
一生豊かな食生活を送るためには、
やはり『神経を残すこと』は欠かせません。
もちろん、どうしても我慢できないほど痛むときや、
重度のむし歯にはやむを得ず神経をとることを
ご提案させていただくこともあります。
しかし、
「神経をとればすべて解決!」
…というわけではありません。
むしろ神経をとった歯は、
むし歯の発見が遅れないように
定期検診で注意深く
チェックする必要があります。
また、
「神経の残っている歯」がむし歯になっても、
定期検診に通っていれば早期発見ができるため、
神経をとらずに済む可能性が高まります。
お口には『むし歯』だけではなく、
『歯周病』をはじめとした
自覚のない病気が他にも潜んでいます。
定期検診は、そうした
「隠れた病気」を見つけ出す
とても重要な機会です。
皆さまの歯を守るため、
ぜひ習慣づけていただければ幸いです!
小栗歯科
〒790-0036 愛媛県松山市小栗2-3-24
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5人に1人がかかる!?エナメル質形成不全2022.9.05
こんにちは。院長の米子です。
秋はお月見シーズン!
9月は1年で最も美しいと言われる、
「中秋の名月」も空に昇ります。
月を眺めながらお団子をいただくというのも、
なかなか風情がありますよね。
さて、夜空に輝く月は美しいものですが、
歯も白く輝いていると
口もとが美しく見えませんか?
歯が白く見えるのは、
エナメル質という組織があるからです。
しかし、このエナメル質が
正常に形成されない事があります。
◆エナメル質の役割
歯はエナメル質・象牙質・セメント質という
3つの層からできています。
そのうちエナメル質は
人間の体の中で最も硬い組織です。
歯の一番外側にあり、
熱いものや冷たいもの、酸性の食品などが
敏感な象牙質に触れないように
刺激やむし歯から歯を守っています。
歯に白い輝きを生み出しているのも、
このエナメル質のおかげです。
◆そんなエナメル質が「もろく」なる?
ところが、大事なエナメル質が不完全な状態で
歯が生えてくることがあります。
歯の表面に
ボソボソとした「白いまだら」が生じたり、
むし歯でもないのに、歯の一部が
茶色や黄色に変色したりしていた場合は、
『エナメル質形成不全』の疑いがあります。
また、重度の場合は
歯の表面がデコボコしたり、
歯を覆うエナメル質が無いため、
象牙質がむき出しになったりしてしまいます。
しかも、エナメル質形成不全の症状がある歯は
見た目の変化だけでなく、
通常の歯よりもむし歯になりやすい
という特徴もあります。
エナメル質形成不全の発症しやすい箇所は
奥歯(第一大臼歯)と前歯です。
特に奥歯は汚れが溜まりやすく、
むし歯になりやすいため十分注意が必要です。
◆子どもの5人に1人が発症!?
日本小児歯科学会が
7歳から9歳の児童を対象に行った調査によると、
地域差はあるものの
およそ5人に1人がエナメル質形成不全
という結果が出ています。
エナメル質形成不全は決して珍しいものではなく、
思いのほか、高い頻度でかかり得る疾患なのです。
しかも、乳歯の場合、
もともとエナメル質が薄く、
むし歯になりやすいのですが、
エナメル質形成不全の歯がむし歯になってしまうと
あっという間に
歯の神経まで進行してしまうため、
より一層注意が必要になります。
乳幼児検診や学校の歯科検診で
エナメル質形成不全と
診断されることもあるかもしれませんが、
その場合は必ず定期的に歯科に通い
チェックをしてもらうことが重要です。
そして、日頃からしっかりセルフケアもおこない、
お子さまの大切な歯を守っていきましょう。
小栗歯科
〒790-0036 愛媛県松山市小栗2-3-24
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「先生、痛いのはそこじゃないんです」は勘違い?2022.8.03
こんにちは。院長の米子です。
日本の夏といえば
やはりお祭りや花火といった風物詩ですね。
その花火が、
実はヨーロッパ生まれということは
ご存じでしょうか?
中国で発明された火薬がヨーロッパに渡り、
来日していた英国人によって徳川家康に披露された、
というのが、日本における花火の発祥のようです。
日本の風物詩というイメージが強い花火ですが、
その生まれが海外というのは少し意外かもしれませんね。
ところで、「歯の治療に関する意外」 といえば
「痛い!と思っていた歯が実は別の歯だった」
ということが珍しくありません。
「自分の身体のことは
自分が一番よくわかる」
と言う方もいらっしゃいますが、
実は人間の身体は勘違いを起こしやすいのです。
では、なぜそうした「勘違い」を
起こしてしまうのでしょうか?
◆「歯の痛み」の通り道『三叉神経』
「歯の痛み」を脳に伝える役割は、
顔の左右にある
『三叉神経(さんさしんけい)』
という「脳神経」が担っています。
脳から伸びた三叉神経は、
おでこから頬、あごのあたりまで、
大きく分けて3つのエリアに分かれて繋がっており、
顔に「どんなものが触れた」か、
それが「冷たい」か「温かい」か、
といった、
「顔の感覚」を脳に伝える働き
をしています。
そして、この三叉神経はお口の中にも繋がっているため、
歯の痛みもこの神経を通じて脳に届きます。
◆間違えやすいワケ
とある実験では、歯に触れて
「いま、どの歯に触れたか」
という質問をしてみたところ、
奥歯に近づくにつれて正解率が下がった、
という結果があります。
これは、お口などに繋がっている三叉神経が、
脳に近づくにつれて一本の神経になるためです。
「痛み」をはじめ、「歯に生じた感覚」は信号となり、
三叉神経を通して脳まで伝わります。
しかし、
その『信号』が
『脳に続く一本道』に到達した際、
「お口の辺り」から来たのはわかるけど、
細かい場所までは覚えていない状態
になってしまうことがあります。
これが、『痛みの勘違いの正体』です。
「歯の痛みの勘違い」で特に多いのが、
「痛いと思っていた隣の歯が原因だった」
というケースです。
また、隣り合った歯だけではなく、
「上の歯が痛いと思ったら下の歯が原因だった」
という場合や、さらには
「歯だと思ったら、鼻の炎症が原因だった」
「目の周りの神経が原因だった」など、
一見するとお口から遠い場所でも
痛みの勘違いが発生することもあります。
このように「痛みの原因の特定」は
皆さんご自身では非常に困難なこともありますので、
何か痛みを感じたら早めに受診してください。
また、痛みの勘違いにより
「痛くないところを削られた!」
と思い込んでしまう方がまれにいらっしゃいますが
そのようなことは、まずあり得ません。
ご不安な場合は、遠慮せずにご質問いただければ
必ずお答えさせていただきますので、
いつでもお声がけください。
そして、日頃から検診などを受けて、
削らなくても済むように
歯を大切にしてくださいね!
小栗歯科
〒790-0036 愛媛県松山市小栗2-3-24
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歯ごたえは歯で感じていない!?歯根膜の役割とは2022.7.06
こんにちは。院長の米子です。
7月といえば、夏野菜が旬を迎える時期ですね。
夏野菜のなかでも、
きゅうりは汗をかきやすい夏にぴったり。
約95%を水分が占めているので、
食べれば水分補給もできる食材です。
そんなきゅうりの魅力は、
ポリポリとした歯ごたえ!
この歯ごたえを感じるためには、
お口の「ある組織」が深く関わっています。
◆歯ごたえを感じているのはどこ?
歯ごたえを感じているのは歯ではありません。
では、どこで歯ごたえを感じているのでしょうか?
歯ぐき?歯の神経?あごの骨?
実は…
このなかのどれでもありません。
歯ごたえは「歯根膜(しこんまく)」という
歯とあごの骨をつなぐ組織で感じ取っています。
◆0.3mmにある大切な役割
歯根膜の厚さは、なんと
たったの0.3mmほどしかありません。
とても薄い歯根膜ですが、
実は大切な役割があります。
それが「クッション」と「センサー」の役割です。
食べものを噛むとき、
歯にはとても強い力がかかっています。
歯根膜はその力をクッションのように
吸収・分散し、歯や骨を保護してくれています。
かたいものをガリッと噛んでしまっても
歯や周りの骨が無事なのは、歯根膜があってこそ!
また、歯根膜はセンサーの役割も担っており、
噛んだ時の「かたさ」や「感触」といった
微妙な刺激は、歯根膜が脳に伝えています。
そのおかげで、私たちは歯ごたえを感じられるのです。
他にも、食品のかたさに応じて
噛む力を調節することにも歯根膜は役立っています。
きゅうりのポリポリとした食感や
天ぷらのサクッとした食感を楽しめるのも
歯根膜があるおかげなのです。
◆歯根膜は一度失うと戻らない!
歯根膜は歯が抜けると
一緒にとれてしまいます。
たとえ、入れ歯やインプラントで
抜けた歯を補ったとしても、
歯根膜が元に戻ることはありません。
つまり、一度でも歯根膜を失ってしまうと、
ごはんを食べたときの食感も
一緒に失われてしまうのです。
そんな歯根膜を失わないために、
まずは自分自身の歯を守る必要があります。
「むし歯」や「歯周病」にならないために、
定期的に歯科医院でプロのクリーニングを受けて
きれいなお口を維持しましょう!
小栗歯科
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